国内外で注目を集める画家・池田学さん。構想2年、制作に3年3か月の月日をかけた大作「誕生」を中心とした「池田学展 The Pen -擬縮の宇宙-」が日本を巡回します。9月27日から10月9日まで日本橋高島屋8階ホールで開催されます。
池田学さんは1mmに満たないカラーペンの線から壮大な世界を描き出すアーティストです。
主に自然風景や都市空間、時代を超えた歴史的モチーフなどを題材に漫画のペン入れなどに用いられる丸ペンを上手に用いて極めて細い線で緻密に描きながらパワフルな世界を表現しました。
1日に約10cm四方ほどの面積しか書き進めることができない緻密さと空間の広がりを兼ね備え、現実を凌駕する異世界の光景を表現します。1日に10cm四方の面積で3m×4mの大きさの絵を描くとなると作業的になるのではないかと意見もありましたが、下絵を描かないから
さきが見えないのでマンネリ化することはないそうです。
佐賀県、金沢市で行われたときはいろんな年齢層が訪れていて訪れたお客の中には虫眼鏡をもって絵の細かい部分を見ようとしている人もいたそうです。中でも最新作の「誕生(Rebirth)」は多くの人の注目を集めていました。
その展示会には高校時代の恩師、金子剛先生に宛てた年賀状や絵手紙も展示されていた。
その年賀状の字は絵だけではなく字も上手でした。
池田先生のインタビューでは
え、そうですか? 特に習字を習っていたわけでもないんですけど……、でもよく言われたのが「画がうまい人は字もうまい」って。それは何となくわかる気がしていて、画も字も四角の中にどういう大きさで、どういう位置に形を並べるか、というバランスの問題なんですよね。あと、父が書く字は上手だったんです。そういう影響もあるのかもしれない。
とおっしゃていた。
年賀はがきなど、限られた範囲の中で文字の大きさも配置もバランスよく書けるのはとても羨ましいです。私はバランスよく字を配置しようと思うと、道具を使わないとバランスよく書けないです。私は、自信をもってかける字を少し大き目でかいてしまい、逆に自信がない字は小さく書いてしまうので、”スットカケール”などの道具を使って字のバランスをとるようにしています。私もなにも使わないで自然と字のバランスが取れるようになりたいなと思います。
参考記事→「麻原彰晃がただのモチーフになるとき」国際的アーティスト池田学が語る“法廷画家時代”