そろそろ年賀状の準備をする季節になってきました。
毎年、年賀状を送り合っているメンバーの中に、今年入院したり、
病気療養中の人はいませんか?
人づてに聞いたり、直接本人から聞いていても、年末の忙しさからすっかり忘れてしまい、何も考えずに出してしまった・・・
なんてことが無いように、今の内から気にしておきましょう。
また、相手のご家族が病気の場合も、その看護で心労が重なっていることがあります。
そのような状態かも知れない人に、年賀状を送っていいのか迷いますね。
ここでは、そんなケースに遭遇した場合の年賀状の出し方についてご紹介します。
入院中や病気療養中の人に出す場合
年賀状とは、新年を祝う言葉とともに、日ごろお世話になっている感謝の気持ちを伝え、 新年も変わらぬお付き合いをお願いをする挨拶状です。
そういう意味では基本、病気中の人にも送って差支えはありません。
ただ、相手が新年を祝う気持ちになれない状態だったり、返信をすることがむずかしい状態の場合があるので注意が必要です。
もちろん例年と変わらない内容でも失礼ではありませんが、できれば、一旦手を止めて、相手の状況を思いやった内容になっているか、確認する時間を取れると安心です。
作成する際は、明るい雰囲気になるように心がけましょう。また、メッセージを一言書き加えるときも、過度な同情や暗い気持ちになるような内容は避けましょう。
どんなことを書けばよいか迷う人は、他の人に送る通常の年賀状に、以下のような言葉を添えてみてはいかがでしょうか?
「1日も早いご回復をお祈り申し上げます」
「1日も早い復帰をお待ちしております」
「どうぞご無理をなさいませんよう」
「どうぞ、お大事に」
「回復され元気な姿でお会いできることを楽しみにしています」
「いろいろと気がかりでしょうが、この際ゆっくり休んで静養してください」
「おめでとう」という言葉を使いたくない場合は、下記のような賀詞を使ってはいかがでしょうか。
- ・謹賀新年(目上の人向け)
- ・恭賀新春(目上の人向け)
- ・賀正
- ・賀春
- ・迎春
こんなフレーズは避けるべき!忌み言葉
よくお見舞いに「鉢植え」を贈ってはいけないと言いますよね。それは「根付く」=「寝付く」を連想させ、病気や入院が長引く状態を思わせるためです。年賀状でも、同じように悪い方向を暗示する漢字や言葉を使わないようにしましょう。
古来、日本では言葉には力があり、その言葉を使うとその通りになる(=言霊)という考え方があります。
その意味から、不吉、縁起が悪い印象を与えるような言葉を「忌み言葉」といいます。
忌み言葉は、年賀状のようなおめでたい挨拶状には使わないのがマナーです。
主な忌み言葉
- ・去(「去年」もNGです。「昨年」や「旧年」と書きましょう)
- ・失
- ・絶
- ・枯
- ・衰
- ・倒
- ・滅
- ・別
- ・終
など
病気の人に向けて出す年賀状では、下記の言葉も使わないようにしましょう。
お見舞いの忌み言葉
- ・続く
- ・重なる
- ・繰り返す
- ・弱る
- ・衰える
- ・長引く
など
入院中の相手への年賀状は、自宅に送るようにします。
入院中の病院に直接送ることはやめましょう。
病気のご家族がいる人への年賀状は?
親や配偶者、子どもなど、身近な家族が病気になったり入院したりすると、 日々のお見舞い等で、体力的にも精神的にもストレスを抱えてしまうことがあります。
何か力になってあげることができたら…という思いはよくわかりますが、その気持ちを実際に文字で、相手の「心に響く言葉」にするのは難しいものです。
ご家族の病状がわからないこともあり、非常に気をつかうところです。
無理に励まそうとする必要はありません。
できれば写真などは載せず、相手のご家族のことにも触れずに、当たり障りのない文章で出すのがよいでしょう。「また会いたいな」という一言程度を添えるだけで十分です。
自分が病気になったときの年賀状は?
自分が病気になったり、入院している場合、年賀状を書くべきでしょうか?
年賀状といえば、やっぱり新年のおめでたいイメージが強いので、ネガティブなことを書くと嫌がられるのでは…とか、病気をアピールしている風に思われないか…とか、不安になりますね。
もちろん自分の体調が良く、年賀状を書ける状態なら出してもかまいません。
(毎年届いていた年賀状が途絶えることで、逆に心配をかけてしまう可能性もあります)
しかし、内容には気を付けましょう。
病気療養中、入院中であることを知っている相手には、普段のお見舞いや励ましのお礼と、回復具合などを書いてもよいでしょう。
既に退院している場合は、近況報告として簡単に書かれている程度なら、初めて知る人でもあまり気になりません。
ただし、世間では、「年賀状には慶事以外は書かないほうがいい」という意見も多いことは頭に入れておきましょう。
相手に気をつかわせたり、見舞いに来られるのは避けたいという場合はあえて現状については触れなくてもよいでしょう。
読む人のことを考えて、明るい雰囲気になるよう気を付けることが大切です。
文例
- 療養中の場合
-
謹賀新年
昨夏より病気療養中の身ですが、お見舞いや励ましのお言葉をいただき、
本当にありがとうございます。
本年は良き報告をお伝えできるよう努力していく所存です。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 - 退院後に出す場合
-
あけましておめでとうございます。
旧年中は公私にわたっていろいろとお世話になり、本当にありがとうございました。
体調はまだ元通りとはいきませんが、順調に回復しています。
また一緒にゴハンでも行きましょう。
今年一年どうぞよろしくお願いします。
平成○○年 元旦
寒中見舞いとして出してもいい?
自分が入院している間に年賀状をもらったけれど、どうしても返事を書く気になれなくて、今年は出したくない…というときは、『寒中見舞い』を出されてはいかがでしょうか?
寒中見舞いは、寒さが厳しい時期に相手の体調を気遣う季節のお便りです。
松の内(1月7日)までに出せなかった年賀状の返礼に使われることが多いですが、入院していて年賀状が出せなかった、体調が悪く書けなかったという場合にも、この寒中見舞いを使えば自分の状況を伝えることができます。
文例
寒中お見舞い申し上げます。
新春のご祝詞をいただきながら、ご挨拶が遅れ誠に申し訳ございません。
実は、昨年末より病気療養中で入院しております。
○○月には退院予定ですので、心配は無用です。
回復した暁には、また一緒に温泉にでも行きましょう。
今年もよろしくお願いします。
家族の代理で書く場合
療養中・入院中等の理由で、年賀状を書けなかった家族に代わって 寒中見舞いを書く場合は、相手を心配させないように本人の状況についても触れておきます。 その際、病名を書く必要はありません。 また、誰が書いたものかわかるように、代筆者の名前とともに本人との続柄を添えることも忘れずに!
文例
寒中お見舞い申し上げます。
皆様よき新年をお迎えのことと存じます。
父(母)ですが、昨年○○月より入院生活を送っております。
お知らせが遅くなりましたことお許しくださいませ。
幸い体調も安定し、本人も回復を目指して日々努力しております。
どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。
平成○○年 1月
寒中お見舞い申し上げます。
年賀状をお送りいただき、ありがとうございました。
ご連絡が遅くなりましたことお許しください。
実は父(母)が昨年末より病気のため入院いたしております。
今のところ容体は安定しており、○○月には退院の予定ですので どうかご安心いただければと存じます。
まだまだ寒い日が続きますので、ご自愛くださいませ。
平成○○年 1月
まとめ
人は病気になったり、どこか身体を悪くしたりすると、気が弱くなったり、寂しい気持ちになるものです。
通常の状態ならば、「年賀状」が届くと嬉しいとか元気が出るという人が多いと思いますが、そうではない場合もあるということを理解し、覚えておきましょう。
相手が病気の場合も、自分が当事者の場合も、受け取る相手のことを想った行動が取れるといいですね。